カウンセラーのQです。
仕事(カウンセラー)で、EDや性機能障害で悩んでおられる男性当事者や、パートナーがそういった状態で悩んでおられる方にお会いする機会があります。
皆さん真剣に悩んでおられますので、そういった方々に有益となる情報を発信したいと思い、この度、当サイトで、コラムを寄稿していくことになりました。
今回は、どんな人が心因性のインポになりやすいかを、考察していきます。
さて、インポの原因は様々ですが、大きく分けると4つの原因に分けることができます。
- 一つ目のタイプは、病気や加齢、飲酒、喫煙などの生活習慣によって血管や神経が傷ついて起こる器質性のインポ。
- 二つ目のタイプは、病気を治療するために服用している薬の副作用による薬剤性のインポ。
- 三つ目のタイプは、ストレスやトラウマなどが原因の、心因性のインポ。
- 四つ目のタイプは、上記の複数の原因が絡み合う、混合性のインポ
今回は、3つ目の心因性のインポになりやすい人について解説していきます。
心因性インポになりやすい人の特徴
心因性インポとは、体には何も原因のないインポを指します。
分かりやすいのが、朝立ちもするし、マスターベーションもできるのに、いざというときに立たない。もしくは中折れしてしまう。といったものです。
この心因性インポは、誰にでも発症する可能性がありますが、なりやすい人にはある共通した特徴があります。まず、プライドの高い人。次に、ネガティブ思考の人。
もちろん、プライドが高い人やネガティブ思考の人がインポというわけではありません。あくまでも、私の経験測です。
プライドが高い人
プライドが高い人は、完璧主義で自分にも他人も厳しい傾向にあります。このような傾向が、仕事や趣味など高いパフォーマンスを求められる部分で発揮されると、周囲からの評価が高まり、自身の満足感も満たされます。
一方で、プライドが高い人の中には、自分の力が発揮できないことを避ける傾向がとても強いという特徴を持ち合わせている人がいます。こういったタイプの人は、自身が持てないことはなるべく避けます。また、失敗をしたことを受け入れ、改善することを嫌います。
そのため、セックスでの「失敗」も受け入れることができません。
何かの理由で、たまたま挿入ができなかったり、相手を満足させられなかったりしたときには、セックスそのものを避けようと考え始めますが、パートナーから求められたり、自身の欲求があったり、持ち前の完璧主義に突き動かされたりしてセックスに臨むことになるのです。
しかし、心の奥には、「失敗したらどうしよう。」という強い恐怖感があるので上手くいきません。なのに、その失敗を受け入れるのは難しい。こういった状況を繰り返しているうちにセックスそのものがストレスとなってしまい、いざというときに充分な勃起が得られない勃起不全を引き起こしてしまうのです。
ネガティブな人
ネガティブな人は、疑り深く、失敗を引きずりやすい傾向にあります。何に対しても不安感が強く、「これで良かったのだろうか。」と、ひとり反省会が始まります。
しかし、考えれば考えるほど正解が見えなくなってしまい、不安を取り除くために考えていたはずが、さらなる不安を生み出してしまいます。
セックスで失敗したときにも、「次もダメだろう。」「その次もダメだろう。」「そのまた次もダメだろう。」「相手が変わってもダメだろう。」と、ネガティブな思考が止まりません。
ネガティブ思考で頭がいっぱいになっている状態では、性的興奮の入る隙間がありません。そうこうしているうちに、考えることに疲れてしまい、精力そのものが低下します。この状態になると、勃起しないだけでなく、セックスそのものへの興味もなくなってしまうことがあります。
プライドが高い人とネガティブな人に見られる共通点
両者は全く異なる特徴があるように思われがちですが、失敗への不安感が大きいという共通の特徴があります。ここから分かるように、不安感は心因性インポの原因となるのです。
不安感は様々な行動となって表れます。不安感を悟られまいとして、セックスに興味がないふりをしたり、仕事が忙しいなどの理由を作ってセックスそのものから遠ざかる行為。
自分が不安感を感じるのはパートナーのせいだと考えて、パートナーを責めたり、別のパートナーを求めたりする行為。勃起しないのは自分のせいだと自分を責める行為。これらの行為は、不安感を一時的に軽減させてくれても根本的な解消になりません。むしろ、大きくなりすぎた不安感が、不安感の元となっているインポそのものを隠してしまうこともあります。
そのために、インポの治療が遅れてしまい、症状を悪化させることもあります。
もう一点、共通する点があります。それは、パートナーに相談しないということです。プライドが高い人は、プライドが邪魔をして相談することができません。ネガティブな人は、相談しても自分が責められるだろうと考えてしまって相談することができません。
パートナーでなくても、誰かに相談するだけでも、不安感が軽減し、心因性インポのケアに繋がる場合があります。
まとめ
心因性のインポは、適切な治療薬を飲むことで、改善することが多いといわれています。
上記に、当てはまるような、心因性インポの方は、成功体験が大事です。成功体験を積み上げることで、心因性のインポを克服することができそうです。
さらに、インポで悩むのは男性だけではありません。インポで悩んでいる男性のパートナー(彼女・妻)も悩んでいる場合が多くあります。
セックスは二人でするものです。お互いに不安や不満をため込む前に、愛情を持って接することができると素敵ですね。
実際に、パートナーとの関係が改善したことで、心因性のインポの症状が改善したという例もあります。
不安(セックスでの失敗は皆するものです)を抱え込まないことが、心因性インポを引き起こさない予防になるのです。