インポの原因には薬の副作用によるものがあります。例えば抗うつ薬の副作用によって性欲が減退し、インポになる場合があります。薬の副作用によってインポになる場合もありますので、薬の副作用についてはよく理解しておく必要があります。日本性機能学会のガイドラインに寄れば、「インポを引き起こす可能性のある薬剤」として次のものを上げています。以下それぞれを説明します。
インポを引き起こす可能性のある薬剤
降圧剤
高血圧がインポの原因になるのですが、血圧を下げる薬である降圧剤もインポを発症させる原因となります。その理由としては高血圧が動脈硬化を引き起こし、陰茎へ流れ込む血液の量が減っている状態で、降圧剤を使用すると血流がさらに減ることが原因だと言われています。ただしはっきりとしたことは分かっていません。
抗男性ホルモン剤
男性ホルモンの中で性欲や勃起機能に影響を与えるのが、テストステロンです。この分泌を抑える薬が抗男性ホルモン剤です。例えば男性ホルモン抑制剤を使うのは前立腺がんの治療です。その治療の過程でインポになる人がいるのですが、男性ホルモンそのものが減ることが多いので、性欲も減るのでセックスそのものをすることがなくなりインポであることが辛くないこともあるようです。
抗潰瘍薬
抗潰瘍剤のドグマチールはうつ病治療のためにも使われることがあります。この薬剤には性機能障害を引き起こす高プラクチン血症になりやすいため、インポの原因になると言われています。
脂質異常症治療薬
脂質異常症の治療薬として使われるリピトールはインポが発症するという報告もあるのですが、逆に勃起を促進する作用も認められています。そのためはっきりとした結論は出ていません。
精神神経用薬
抗うつ剤にもインポの副作用があると言われています。なのでうつ病の患者にはインポを発症する可能性が多いと言われています。あるデータによれば、インポ患者の中でうつ病になっている人の割合が、インポではない割合と比べて2.6倍であると言われています。心因性のインポがあるわけですから、当然うつ病とインポは関係があると言えるでしょう。うつ病になりインポになるとさらに精神的に落ち込み、インポも悪化することがあるのです。
また、うつ病患者がインポになるのは抗うつ剤にも原因があります。例えばうつ病の治療によく使われる抗うつ剤SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、セロトニンが中枢神経系で増えることで、性的欲求に関係するドーパミンの作用が抑えられると言われています。他にもこの薬剤には射精を抑制する作用もあります。
抗うつ剤の副作用などは医師からあまり説明されないこともあるため、心因性のインポだと思っていたら、実は薬剤が原因のインポであったということもありますので、これらの薬剤を服用している方は薬剤性のインポを疑ってみることも必要です。
まとめ
他にも呼吸器官・アレルギー用剤にインポを引き起こす可能性があると言われています。こうした薬剤によるインポは、投薬をやめることで改善される場合がほとんどのようです。ただし処方された薬を勝手にやめるのは危険です。早期改善のためには、必ず医師またはインポ治療を専門に扱うクリニックに相談してから判断するようにしましょう。